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【73日目番外】所持金ほぼ0円 

昨日のみなみさんと出会ったエピソード。




日没間際、高松塚古墳の休憩スペースにて、犬の散歩に来たみなみさんに話しかけていただく。

「どこから来たのー?」とか「どこまで行くのー?」など聞かれ、話し込む。

すると、一人暮らしだし今日泊めてやろうかという!

「所持金0円スタートの自分にとってはありがたい」と言う。


すると、すごくびっくりされる。

そういう旅をしていること自体にも驚いたらしいが、別の意味でも驚いたらしい。



なんと、みなみさんも所持金がほぼ0円らしい!



なぜに!?



なんでも、娘さんが今日アメリカに行ったらしく、それで関西空港まで送って行ったそうだ。そして娘さんが降りる際に、車の中にあった生活に必要な貴重品が全て入ったみなみさんの鞄を誤って持って行ってしまったらしい。


そのため、

・所持金ほぼ0円

・家にもお金はない

・仕事していないからお金借りられない

・肉親は娘だけ

・友達は犬の散歩仲間くらいで、住所も連絡先もわからない

・車のガソリンはあとわずか

・携帯もない


気付いたのが高速から降りる時で、高速代は料金回収のおじさんに立て替えてもらい、警察に行くも借りられず、散歩仲間がいるかもしれないとここまで来たらしい。

しかし、散歩仲間もおらず、観光客っぽい自分にとりあえず話しかけたそうだ。

アメリカからいつ鞄が届くかもわからず、当分の生活や何より犬4匹の食事で5千円なり1万円なり必要で困っているという。


あまりに唐突な話しでびっくり!こんなことあるのか!?

もちろんこれまでにいただいていた餞別は持っている。しかし、普通に考えてあやしすぎる。しかも、みなみさんの自然な話し方の節々に普通じゃ身につかない交渉技術が見受けられる。なので、とりあえず言わないでおく。


すると、もう日没だからと駅まで乗せていただくことに。


道中、散歩仲間の一人の連絡先を見つけてみようとなる。ただ、苗字しかわからず、連絡先も住所もわからない。

そこで、相手と知り合った動物病院に連絡し、連絡先を聞こうとする。「いや、無理ですよー」と言いつつも携帯をお貸かしする。案の定、病院は教えてくれないが、相手に連絡し、取り次いでくださるという。

しかし、すぐに病院から連絡があり、本当か嘘かはわからないが相手は留守だという。


落ち込んでいる間もなく、次は相手の苗字とだいたいの住所からタウンページを見て数件に電話する。

電話されたほうは明らかに怪しがる。

ってか例え見つかっても、散歩で会って話す程度ではお金は貸してくれんだろー。

これまたうまくいかず断念。



そして最終手段!



なんと見ず知らずのその辺を歩いている人に交渉!


ホンマに!?


自分は車で待機して見ていたが、本当に話し掛けてる!


この人、本気だ!




みなさんは突然、「1万円貸して!」と言われて貸しますか?



答えは


ノー


ですよね。


普通は。



案の定、断られ続け、それを2~3ヶ所移動して続ける。

と、あるドラッグストア駐車場にて話してる相手に動きが!

通報でもされたのかと思いきや、みなみさんが車に戻ってくる。


聞くと、




「5千円借りたわー、いやー寒い寒い」




と普通に答える。




…えー!?



ありえん。



ありえん。



絶対ありえん。



…けどありえてる。

開いた口がふさがらない。



10人も話し掛けてないくらいの時である。

相手はまだ20代の若いドラッグストアの店員で、たまたま故郷が近くて話しが合ったらしい。住所と連絡先を書いただけで、貸してくれたらしい。


「ちゃんと返すんやし、なんも悪いことじゃないやろー。」

「ホントは1万円借りたかった」

「まずはドックフード買わなきゃ」

…開いた口がさらにひろがる


「これでなんとか生活できるし、もう今日は泊まっていけやー」

と言い、車を走らせガソリンスタンドでガソリンを入れ、スーパーで買い物をして一緒に自宅へ。


途中、自分は多少お金を持っていることを正直に告げるも、

「そんなもんもういらんから取っておけ。ちゃんと正直に伝えて、貸すのが嫌なら正直に断ればいいんや。」


うはー。


開いた口がさらにさらにひろがる。


家につくと、これから生活が大変だというのに、残り物やスーパーで買った惣菜を出してくださる。

ようやく口がふさがる。


「お金は上手に使うんじゃなくて、きれいにかっこよく使え。ただし、約束は守れ。」

そう言って簡単に寝床を作ってくださり、就寝。


ちなみに、みなみさんは甲子園で投げたことがあるということ以外は、普通の経歴のようである。


「不可能を可能に」がモットーの自分にとって、未知の世界を知る経験であった。

yo-hei

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